最近よく取り上げられる「SDGs」はご存知でしょうか⁈
これには「17項目の目標」があります。
SDGs=Sustainable Development Goals:『持続可能な開発目標』
それを2030年までに達成しようという「目標がSDGs」
本記事では「落合陽一」氏の本【2030年の世界地図帳】より、SDGsにおける日本の活路(将来性)についてお伝えします。
それは
「デジタル発酵」
そして著者はこう述べています。
「SDGsはヨーロッパ式ゲーム」
この「2つ」は、どう関係があるのか⁈”ポイントを4つ”にまとめてみました。
- 4つの「デジタル・イデオロギー」
- 「ESG投資」と「PRI」と「パリ協定」
- 欧州的な「論理」と米中に似た「技術的立場」の融合
- 「デジタル発酵」でイノベーション
順番に解説します。
SDGsにおける「日本の活路」①:【4つのデジタル・イデオロギー】ーヨーロッパ式ゲームとは⁈ー
4つの「デジタル・イデオロギー」がこちら↓
- アメリカン・デジタル
- チャイニーズ・デジタル
- ヨーロピアン・デジタル
- サードウェーブ・デジタル
順番に解説します。
4つのイデオロギー①:「アメリカン・デジタル」
GAFAMなど オープンソースなどをうまく利用したイノベーティブな帝国主義
4つのイデオロギー②:「チャイニーズ・デジタル」
BATHなど 国家を後ろ盾にした資金循環と情報統制下のイノベーション
4つのイデオロギー③:「ヨーロピアン・デジタル」
LVMH、ロレックス、メルセデスベンツ、ライカなど ブランド力によるエンパワーメント
4つのイデオロギー④:「サードウェーブ・デジタル」
タタ・モーターズ、Mペサなど 一足飛びに生まれる(インドやアフリカ諸国)新種のイノベーション
「SDGs」=”ヨーロッパ式ゲーム”である理由
上図は、現在の「主要産業」の関係性を構造化したもの
上から順番に、以下の”層”に分かれています。
- 「法と論理」の層→ヨーロッパ主導のルールによる支配
- 「情報」の層→アメリカと中国が”IT”サービスで激突
- 「工業」の層→中国が”世界の工場”として機能
- 「資源」の層→中東やアフリカが鍵を握る
このトップ(一番上の層)にあるのが
「ヨーロピアン・デジタル」
であり、実体を欠いた抽象的な領域ですが、その「下の層」を
「根本から規定する力」
を持っています。
ヨーロッパは「法と論理」の層に立脚した”3つの柱”が存在します。
SDGsにおける「日本の活路」②:【ESG投資】と【PRI】と【パリ協定】ー ヨーロッパ3つの柱ー
「ヨーロピアン・デジタル」の資本主義は、文化によって強力に規定されています。
それは「法や論理」によって
市場をコントロール
そこから新しい「価値を引き出す」方法論として、その一つが
「ESG投資」
「ESG投資」とは…
【Environment(環境)Social(社会)Governance(ガバンス)】
これらの「3要素」を考慮した投資のこと。
- 「ESG投資」→”PRI”のもと、なされる投資…環境保護や持続可能性につなげる
- 「PRI」→機関投資家の社会的責任…ESGを推し進める企業活動を、投資で促進
- 「パリ協定」→気候変動対策…各国に努力を促す
「パリ協定」「PRI」を元に例えば…
- 従業員の人権を侵害
- 産業用排水を垂れ流す
などといった「環境破壊」を行っている企業はPRIのもとで
「持続可能性」に欠ける
とみなされ、
「投資リスト」から排除
される仕組み
ちなみに、日本の「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」も【PRI】に署名しています。
ヨーロッパの法による防壁『GAFAMvsGDPR』ーEUが「GDPR」にこだわる理由ー
GDPR=「EU一般データ保護規則」
- EU内の個人情報の取扱いに関する規則
- GAFAMなどのプラットフォーマーの情報の取扱いを規定する枠組み
人権思想に基づいた個人のプライバシーに関する権利を
”アメリカン・デジタルから奪還する”
=プラットフォーマーによる「寡占を防ごうする考えがあるのでは?」
と著者は述べています。
ちなみに「GDPR」に違反した場合、最大2,000万ユーロ、あるいは全世界の売上高の4%のいずれか「大きい方」が課されます。
例えば、「グーグル」の2018年度の売上高は約15兆円。その4%は…
「6,000億円」
20億ユーロ(約2,400億円)をゆうに超えます
「GDPR」施行以降、GAFAMは
国家予算規模の罰金を請求
されるリスクを負うことになりました。
最近、GAFAMの「アマゾン」はGDPR違反があったとして「罰金970億円」を課す決定をしたと報道がありました。→記事はこちら
SDGsにおける「日本の活路」③:欧州的な【論理】と米中に似た【技術的立場】の融合 をおこなう
ここからは、いよいよ「日本の活路」の具体的案についてお伝えします。
この項での「表題」
欧州的な「論理」・米中「技術的立場」の融合
どういうことか?
まずは「アメリカ・中国」の特徴として
一定期間で使い捨てる「消費」と「流行」が生活様式
- 歴史は浅く500年程度(アメリカ)
- 1950年代から「大量生産・大量消費」の社会になる(アメリカ)
- 長い歴史があるが、文化大革命の時代に一時的に排除した過去がある(中国)
対して「ヨーロッパ」の特徴は…
中古住宅など歴史が価値を創造する中古文化
- 2,000年以上の伝統を積極的にブランディング
- セカンダリー・マーケットの隆盛
この2つの「文化」において日本の立ち位置は、「ヨーロッパ」における
「付加価値」の仕組みを理解する
これが”ポイント”になります。
日本が「迷走」している理由
GDP3位の大国ながら、日本のメディアは
「日本が遅れている理由」
「国際社会との比較でマイナス面」
ばかり主張し、自信のなさが表れています
日本の「特徴」はこちら↓
- 諸外国からの文化をリミックス、文化に入れ込んできた国
- 日本の伝統文化を持つ高い「付加価値」は”ヨーロピアン・デジタル”に近い
しかし、現在の日本は
「ヨーロピアン・デジタル的な醸成」に失敗
しているといえます。
理由は…
- 1980年代のブランドブームは「ヨーロッパ」のもので国内の伝統工芸品ではなかった
- 現在の銀座ブディックも同様
- 日本製品は機能的には優れているが、すでに「レッドオーシャン」安いコスト競争にはかなわない
このような「理由」があります。
GDP3位の経済大国である”今のうち”
に考えておくことが、たくさんあります。
【2025年】”GAFAM”含む「破壊的企業」を記事にしています。詳しくは以下をご覧ください。
SDGsにおける「日本の活路」④:「デジタル発酵」でイノベーションを生む
「伝統文化」と「価値の継承」が途絶えつつある日本
今後のコアとなる価値の「キーワード」は、ヨーロッパ・アメリカ・中国の3極の中間点で熟成する
「デジタル発酵」
それは「文化」と「テクノロジー」の両輪で付加価値を上げていく
「スイス」のようなアプローチ
それは、現状のグローバル経済の中で地政学的条件を考えた時の現実的な解の一つ。
「スイス」のアプローチはこんな感じ↓
- 「高付加価値」「高賃金」な社会
- 主力産業は「時計」「医療機器」「精密工作機械」といったテクノロジー関連
- どこ勢力にも与しない「永世中立国」の立場を堅持し、EUにも加盟していない
- 国際連合の事務局をはじめ中枢機能の多くはジュネーブ
- 「税率」は高くて「福祉」が手厚い、高福祉国家
…など
アメリカと中国がし烈な
「世界のトップ争い」
をする一方で、ヨーロッパは「理念的制度」によって、プラットフォーマーが支配する
「市場経済」を統制下
に置こうとしています
この勢力図に対して、日本の取るべき「方向性」はこちら↓
- ヨーロッパの「理念」に同調しつつ、アメリカと中国の「中間」に立つ
- これにより「独自の存在感」を発揮できる
例えば…米中の単純な「性能のみを競う」開発競争には参加せず、欧州が推す「脱炭素」のランキングで
「持続可能な開発」の手法で上位を独占
これが「日本」の”戦い方”のひとつ
このように、グローバルの基準から外れた方向への熟練が、「意外な価値」を生み出すのは
「デジタル発酵」の典型
といえます。
「ハード」と「ソフト」の組み合わせ精度において、いまだ日本は【優秀】
まとめー2030年日本のキーワードは「デジタル発酵」ー
- SDGsは「ヨーロッパ式ゲーム」=法と論理
- 日本はアメリカ・中国・ヨーロッパの中間に立つ
- SDGsに「乗る」というより、「使っていく」というスタイルが効果的な戦略
いかがでしょうか⁈
国際的に遅れをとっている「イメージ」が強い日本ですが、まだまだ”やり方次第”で
「世界と渡り合う」
ことが可能だとわかります。
世界はすでに”新しいルール”で動きはじめています。
あなたは「準備」できていますか⁈
※この本が気になる方、以下でも購入が可能です↓
以上、参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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