どーも!理学療法士のburioです。
「有酸素運動」って、実は”基準”があるのはご存知でしょうか⁈
特にランナーは「基準」を数字で把握することで「より長く」「より多く」
運動を、続けることが可能です。
その「基準」が
「AT(無酸素性作業閾値)」
「LT(乳酸素性作業閾値)」
と呼び、有酸素運動における「評価尺度」になります。
これを知ることで、あなたは
「もっと速くなれます!」
本記事では以下の「4つのポイント」を中心にお伝えします。
- 「AT(無酸素性作業閾値)」とは⁈
- 「LT(乳酸素性作業閾値)」との違い
- LTに相当する「心拍数」の求め方
- 有酸素運動の「強度設定」4つのポイント
では順番に解説します。
【最強の有酸素運動】”ダイエットに有効”なトレーニング法「LSD」について解説しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
有酸素運動の基準①:「AT(無酸素性作業閾値)」とは?
AT(Anaerobic Threshold)「無酸素性作業閾値」とは⁈
「楽な運動」であれば、長く続けられるが「きつい運動」は続けられない。
「少なくとも30分以上、余裕を持って運動」
できるかどうか?という境目の運動強度を、「AT(無酸素性作業閾値)」といいます。
現在では、
「全身持久力の生理学的な指標」
として、世界的に広く用いられています。
「AT」は楽な運動から、徐々に運動強度を上げていく
『漸増負荷テスト』
によって導き出されます。
ー「漸増負荷テスト」と「乳酸値」ー
- 通常、血液中の乳酸値は「1mmol程度」に維持されている
- 徐々に運動強度を上げていくと乳酸値が「急激に上昇する」
- この地点が「AT(LT)」
有酸素運動の基準②:LT(乳酸素性作業閾値)との違い
LT(Lactate Threshold)「乳酸素性作業閾値」とは⁈
【前項の復習(□で囲んだ部分)】「漸増負荷テスト」を行っている途中で、「血中乳酸」の濃度
を測っていきますが、ある運動強度から血中乳酸が
「急激に変化」する地点があります。
この強度より強いと「無酸素性エネルギー」も動員され始めるので、その境目の強度を
AT「無酸素性作業閾値」
といいます。
実際には、「血中乳酸」の変化から求めることが多いため、
LT「乳酸素性作業閾値」
ともいいます。つまり
「AT=LT」
になります!!!!!
ーLTに対して「OBLA」とは?ー
OBLAとは「Onset Blood Lactate Accumulation」の略
- 「漸増負荷テスト」で、乳酸値が「4mmol」を超えたポイント
- 当然、「LT」より運動強度が高い
- OBLAはスポーツマンが激しい運動を継続できる目安です。
【無酸素運動】「筋トレのポイント”3選”」を記事にしています。詳しくは以下をご覧ください。
有酸素運動の基準③: LTに相当する「心拍数」の求め方
「有酸素運動」と「無酸素運動」の違い
- 「AT程度の楽な運動」であれば、30分間以上行っても、血中の乳酸値はほぼ変わりません
- AT以上のきつい運動を行えば、最初から乳酸値は高い数字を示します。
AT以下程度の楽な運動を行っている場合は、
「有酸素系のエネルギー」
を使って身体を動かしています。
一方、ATよりもきつい運動を行うと、有酸素系のエネルギーだけではなく
「無酸素系のエネルギー」
も合わせて使われ、結果として、”乳酸値が高くなります”
ーLTに相当する「心拍数」の求め方ー
- 一定のスピードで走り、「走行中」と「回復過程」の心拍数を測る
- 1回のランニングは「最低3分」で回復まで数分図る
- 上図の例では、”4種類”の速度で走っており、余裕があれば、心拍数は横ばいになる。
- 回復過程も速やかで、数分後には同じ値になる。
- LTを超えて走ると、心拍数は上がり続け同じレベルまで回復しない
- この例では、LT速度は「200m/分」、目標心拍数は「135」くらい
有酸素運動の基準④:有酸素運動の「強度設定」
有酸素運動を行う場合は、目的に合わせた運動強度を設定することが必要です。
- 活力アップのための持久力の向上
- スポーツの基礎体力としての持久力向上
- 生活習慣病の改善または予防
- 積極的休養としての運動
運動強度レベル①:「活力アップ」を目的に有酸素運動を行う
「LT」か「それ以上の強度」で実施する
運動強度レベル②:「スポーツの基礎トレーニング」として行う場合
持久系のスポーツでは「LTかそれ以上」、他の種目では「LTレベルの強度」がいいです
運動強度レベル③:「生活習慣病の予防」
「LTかそれ以下の強度」がいいです。また、生活習慣病がある場合は専門医に相談する
運動強度レベル④:「積極的休養」
「より軽い強度」がいいです。
- 「積極的休養」とはアクティブレストともいう
- ジョギングなどの軽い有酸素運動やストレッチを行い、筋肉の血行を促進することで疲労回復を図る休養です。
まとめー自分の有酸素運動「強度」を調べてみようー
- AT/LTは「同義語」で、乳酸値が急激に上がるポイントのこと
- AT/LT以下での運動は長時間可能(有酸素運動)だが、それ以上になると無酸素運動になる
- 有酸素運動の強度設定は目的に応じて変える必要がある
専門的な用語がたくさん出てきましたが、ちょっとした知識が増えることで
目的にあった「トレーニング」
が無理をせずに、安全に行うことができます。
生活習慣病とスポーツ
- 今では「生活習慣病にスポーツが有効」というのは常識ですが、もともとは持久力アップのために有酸素運動を行うと「結果として」病気の予防にもなるというところから始まっています。
- 生活習慣病予防には、余分な脂肪を落とすために、消費するカロリーを増やすことがポイントで、「スポーツを行う」「日常を活動的に過ごす」のが有効
生活習慣病を防ぐためにも毎日の運動を心がけたいですね。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
参考・引用文献:「新版図解 スポーツトレーニングの基礎理論」西東社
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